<Beautiful Sunday!>

1月7日日曜日の朝はパリから始まった。そう、ここはもうパリなんだ。ダイスキなパリ、早く来たかったパリ、どこより落ち着くパリ、ここを目指してこの旅は進んできた!
パリは華やかで何でもあってハイライトにふさわしい街だと思う。この街を最初に訪れていたら、旅の印象はどんなものになっていたんだろう。きっと他のどのツアーにも
いえることだと思うけれど・・・^^;パリはやっぱりトリを飾るにふさわしい華やかさにあふれている。。。

観光の始まりは4度目の訪れになるベルサイユ。4度目だってまだまだ未知の場所は山ほどある。広大なベルサイユ宮殿となればなおさらだ。結局現地到着までは集団行動をとり
個人行動はその後午後3時ころまで及んだ。園内を走るトローリーなども使って効率的に見たつもりであったがベルサイユはやっぱり想像以上に広かった。

グラントリアノンの東のプチトリアノン。ルイ15世の愛妾であったポンパドール婦人の案で建てられた離宮だが、のちに主となったマリーアントワネットがここを大変気に入り、
格式ばった宮廷での生活から逃れて平穏な生活を送っていたという場所。小トリアノンのさらに東にはマリーが造らせた村里がある。彼女はここで庶民の生活を疑似体験していたという。今回のベルサイユ訪問の中で私が一番行きたかった、見たかった場所である。

この日は朝は曇りがちだったものの時間がたつにしたがって穏やかに晴れた日曜日へと変わった。晴れた日曜の午後の散歩、なんて気持ちがいいのだろう!
それもここはベルサイユ!!こんな美しい庭園に囲まれながら青空の下で風に吹かれながら歩ける幸せ!!!庭を歩くアヒル、ノンビリと草を食むヤギや羊、べサイユの空の下はこんなに素朴で暖かい風景が広がっている。宮殿内のあの宝石箱のようなお部屋とは全く違う。平凡だが緑の芝生にシートを敷いてお弁当を食べ眠くなったらお昼寝をする。
そんな時間だってもってみたい。今度こそ☆

マリーは宮殿での堅苦しい生活から逃れるためにこの場所を求めたという。彼女は本当はただただ自然な人で、ノンビリとした時間と自然と戯れる時間を愛し、子どもたちを愛し、
田舎家に安らぎを覚え、静かに暮らしたかっただけなのだな、と思う。それは私たちとなんら変わることのない感覚で悪評あるお姫様のイメージは薄れてゆく。
トランプ賭博に傾倒し金にまみれ、夜毎仮面舞踏会へ繰り出す遊び人☆有名なデザイナーのドレスや宝石を買い込み、挙句の果てには首飾り事件の
疑いまでかけられる始末☆マイナスエピソードばかりが前面に出てくる人であったが彼女のそれまでの人生を落ち着いて考えてみるといろいろ頑張って耐えている人なのだな、、、とも思えてくる。14歳で愛のない政略結婚、結婚を夢見る前の年齢が痛々しい_ _;彼女のマイナス面の全ては宮廷生活の寂しさ、堅苦しい生活の中からでてきたもので
彼女があのままオーストリアの皇女さまであって、運命の人フェルゼンとの出会いがオーストリアの宮殿で催された舞踏会だったなら
また運命は大きく変わっていたかな。彼女がしてきた贅の限り、そんなことは歴代の姫たちがしてきたこととさほど代わることはなくてそんなことではなくて
すでにフランスには革命の波が押し寄せていて彼女はその波に飲み込まれゆく選ばれし人であったとすれば、なんとも悲劇の人なのだろうかと同情までしてしまいそう。
人は生まれてくる親を選べない。だとすれば生まれてくる立場も生まれてくる時代も生まれてくる国も選べない。全てが偶然であり、必然なんだ。その与えられた
偶然と必然を変えてゆくことは出来ないものだろうか。この世に<運命>という言葉があったとしても。

<一枚の絵>

ベルサイユでの時間は思ったより長くなってしまった。集団行動だったなら更にいくつかの観光が終わっていたであろう時刻が経過していた。
私たちはやっとの思いでこの魅力ある場所への思いを断ち切り、ベルサイユから程近い<ヴァンブ>へと足を進めた。ヴァンブまでの道は比較的すいていて、
さほど道に迷うことなく夕暮れ近い時刻にその場所へ着いた。数年前初めて訪れたエリアとは若干違う場所で催されていた市。なんだか新鮮だ。
まだ腰を思いきり落ち着けて座り込んでいる業者もいれば、シートの上に並べた数々をゆっくりと片付けはじめている業者もいる。ノンビリとした空気の中でモノと向き合う時間は
今回は約束されていない。与えられた時間がそれほど長くないとすれば決断も早くできるというもの。かえって良かったかもしれない。

決断はどれも早かった。Rose&花柄のキャニスター、Pink色のエナメルジャグにカフェオレボール。そして、、、ほどなくして私の目に一枚の大きな絵がとまった。
それは落ち着いたPINK系で描かれた花瓶の中の花々。このゴールドの額縁に収められた大きな油絵を購入しようと決断するには少々の時間が必要だったけれど、
業者の思いの強さと数日前お誕生日を迎えたというシチュエーションが重なってそれは程なくして私のモノになった。何よりここはパリの空の下なんだ。あとで未練を感じても
簡単には手に入るまい。手に入らないというよりおそらく出会いのチャンスはもうないだろう。のちの思いとはかりにかけたらやはりこの絵は私のものになるのだと思った。
決断して良かった。本当に良かった。素敵な自分へのプレゼントになった。
さぁ、大きな絵を抱えてひとまずホテルへ戻ろう。

日もすっかり落ちたころ私たちが存在する次なる場所はセーヌ川に浮かぶクルーザーの上!セーヌから眺めるパリの街はさぞかし美しいだろうな。。。

<地上の星空>

高い位置から眺めるその場所は地上の星空のように本当に美しい。でも地上よりほんの少し低い位置からその場所を眺めたらもっともっと美しかった。
そこはセーヌ、そこはパリの街。。。美しく街灯に照らされた古い町並み。まるでライトアップされた野外美術館を鑑賞しているみたい。
こんな美しい街が夜の光に照らされているのだから美しくないわけがない。昼間の光り輝く日差しもそれはそれでパリを美しく照らしていると思うのだが
夜は夜で闇夜に負けぬよう人工の光は昼間のそれより更にパワーアップして美しく街を浮かび上がらせている。
冷たい冬の風になんか負けないほどの美しい光景が目の前に広がっている。昼間のそこよりはるかにはるかに美しい。瞬きなんかしていられない。
昼間見たはずのあの場所、この場所。美しく光輝くその場所は角度を変え光の魔法で、まるで初めて訪れたかのような感動と錯覚を与えてくれる。
時間なんて存在しなければいいのに。そしたらいつまでもこの宝石のように光り輝く街に包まれて目の前に広がる光景を眺めていられるのに。。。

でも朝日が昇って昼間の明るい日差しの中のパリの街に出会ってしまったら、やっぱり、今日の終わりは必要だと思えるのかもしれないね。。。

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